アーリントンCに登録している、
手塚貴久厩舎のオデュッセウスについて。
地方の宇都宮競馬で乗り役と調教師をやっていた手塚佳彦調教師の息子として、
1964年に栃木で生まれた手塚貴久調教師は、
子供の頃にはあまり馬と関わっていなかったそうで、
慶應大学の4年生だった時には、大手飲料メーカーの内定をもらっていたので、
そのままサラリーマンになる予定だったそうです。
でも、大学を卒業する前に、佳彦調教師と行った北海道旅行で牧場を回ったのがきっかけで、
「競馬の仕事がしたい」と思ったため、就職の内定を蹴って、
北海道の牧場で1年間くらい働いて馬のことを勉強して、
1989年にJRA競馬学校の厩務員課程に入っています。
競馬学校を出てからは、
まず、トロットサンダーを育てたことでお馴染みの相川勝敏厩舎の厩務員になって、
1990年から、調教師の試験に受かった1998年までは、
佐藤全弘厩舎で調教助手をやっていました。
その後、1999年に自分の厩舎を開業した手塚調教師は、
その年こそ8勝止まりでしたけど、2年目は10勝、3年目は15勝と、
順調に勝ち星を伸ばしていましたし、2004年には30勝を上げていて、
その後も、ずっと「20勝以上」を続けています。
また、手塚調教師の厩舎は、
ベルグチケットを使った1999年のフェアリーSで初めて重賞を勝っていて、
その後も、アイルラヴァゲインを使った2007年のオーシャンSや、
ブラックバースピンを使った同じ年のCBC賞や、
アルフレードを使った2011年の朝日杯FSや、
アユサンを使った2013年の桜花賞や、
アジアエクスプレスを使った2013年の朝日杯FSや、
ヤングマンパワーを使った去年アーリントンCや、
ハートレーを使った去年のホープフルSなど、
今までに、G1の3勝を含めて重賞を16勝しています。
そして去年は、G1こそ勝てなかったのですが、
ヤングマンパワーでアーリントンCを勝って、ハートレーでホープフルSを勝つなど、
「36勝・獲得賞金6億8206万円」という、今までで一番の成績を残していましたが、
貴久調教師は、この数字に満足しないで、これからのレースを全力で勝ちにくると見ています。
と言いますのも、今年に入ってから先週までの手塚厩舎は、
4勝を上げてはいますが、獲得賞金は「6638万円」で、
まだ去年の一割にも達していないのですから。
そのため、今の手塚調教師は、
「賞金の高い重賞を勝って一気に稼ぎたい」と考えている筈で、
実際に今週は、1着賞金が3800万円のアーリントンCにオデュッセウスを使います。
そこで、手塚調教師でしたら、この馬を間違いなくメイチに仕上げますので、
実際にどう仕上げてくるのか、最終追い切りの様子を確認したところ、
南ウッドに入れられて、5Fが70秒4、終いの1Fが12秒2という時計を出していました。
終い重点の調教だったので、全体の時計は速いものではなかったのですが、
最後の直線で鞍上が仕掛けると、抜群の反応で一気に伸びていましたから、
申し分のない状態に仕上がっているのでしょう。
この馬は、去年のすずらん賞を勝ってから、
3戦続けていい結果が出ていないので、
今回はあまり人気にならないでしょうが、
このデキなら巻き返しが期待できる筈です。