一口馬主クラブの「株式会社ウイン」が
朝日杯FSに登録している、
ウインオスカーについて。
同クラブの愛馬会法人・「ウインレーシングクラブ」に於いて、
少し前まで取締役を務めていた大迫基弘氏と大迫正善氏は、
「ゼンノ」の冠名を用いている大迫久美子オーナーのご家族ですから、
当時は、「ゼンノ」と「ウイン」の馬が同じレースに出走してきた場合、
「実質的に複数出し」と考え、「どちらで勝ちにきているのか」を慎重に検討する必要がありました。
しかし、2012年の秋に新体制となってから、
「株式会社ウイン」の代表は、「マイネル軍団の総帥」こと
岡田繁幸オーナーの三男・義広氏が務めておりますので、
以前とは違う見方をする必要があるでしょう。
同クラブの募集馬の中で、これまでの代表的な存在としては、
2003年のNHKマイルCを制したウインクリューガーや、
2003年の京都ハイジャンプなど、障害重賞を4勝したウインマーベラスや、
2004年の日経賞を制したウインジェネラーレや、
2004年の京王杯スプリングCを制したウインラディウスや、
2011年の青葉賞や昨年の日経賞を制したウインバリアシオンなどが挙げられます。
そして、同クラブが過去最高の成績を残しているのは2003年でして、
この年は、ウインクリューガーで制したNHKマイルCや、
ウインマーベラスで制した障害重賞4勝など、
「重賞7勝を含む45勝・獲得賞金10億0652万円」という素晴らしい数字でした。
ただ、それからは、2003年の数字を10年以上も上回ることできず、
昨年も、ウインバリアシオンが日経賞を、
ウインマーレライがラジオNIKKEI賞を制したものの、
「19勝・獲得賞金5億7480万円」という成績に終わっておりましたので、
クラブの関係者達は、この状況に物足りなさを感じていた筈であり、
今年を迎えるにあたっては、「必ず2003年のような好成績を残したい」と考えていたことでしょう。
そして、実際、今年に入ってからは、ウインフルブルームで京都金杯を制するなど、
「36勝・獲得賞金6億6538万円」という成績を残し、
既に昨年を上回っておりますが、2003年と比べれば、
獲得賞金が3億4114万円も下回っておりますので、
この数字に関係者達は物足りなさを感じている筈です。
また、この状況が出資者の伸び悩みを招いているのか、
「ウイン」は、「2015年度募集馬」(現1歳世代)について、
「1次」と「2次」を合わせて、計38頭のラインナップを発表しておりますが、
これらの内、既に満口となっているのは3頭のみで、
残りの35頭は現在も出資を受け付けております。
更に、2011年の青葉賞と2013年の日経賞を制するなど、
5億7994万円の賞金を稼ぎ、近年の同クラブにとって、
「ダントツの活躍馬」であったウインバリアシオンは、
左前浅屈腱不全断裂によって、今年の5月7日(木)に競走馬登録を抹消され、
その後、青森県の十和田市にある「スプリングファーム」で種牡馬となりました。
そのため、現在は同クラブの関係者全員が、「残りの35頭を早く満口にしたい」、
「ウインバリアシオンの分も、他の馬に活躍してもらいたい」という思いを強く抱いていることでしょうし、
実際、先週の阪神ジュベナイルFでは、ウインファビラス(10番人気)が2着に入っていますね。
そして今週は、1着賞金7000万円(馬主の取り分は8割の5600万円)
の朝日杯FSにウインオスカーを登録してきましたので、関係者であれば、
この馬を預けている飯田雄三調教師に、迷わず勝負懸かった指示を出す筈です。
また、最終追い切りについての報告も、
「レースでも乗る松山騎手が坂路に入れて、全体が55秒3、
終い1ハロンが12秒4という時計を出しておりました。馬な
りでの調教でしたので、時計はそれほど目立つものではなかっ
たけど、休み明けを1度使われて、馬が確実に良くなったよう
に見えますので、前走の秋明菊賞(2着)を上回るレースがで
きる筈です」
という内容でした。
これらの理由から、この馬を「大いに注目すべき存在」と見込んでおります。