北九州記念で注目しているのは、
一口馬主クラブの「友駿ホースクラブ」が登録している
フルールシチー。
「シチー」の冠名でお馴染みの「友駿ホースクラブ」は、
1968年に設立された老舗で、現在の一口馬主クラブのシステムを最初に導入しました。
同クラブに於いて、過去の代表的な存在と言えば、
2003年のジャパンC、2004年の宝塚記念を含む重賞7勝を上げ、
2005年に引退するまで、10億8422万円もの賞金を獲得したタップダンスシチーが真っ先に挙げられ、
その他にも、1986年の阪神3歳Sを制したゴールドシチーや、
1987年の朝日チャレンジCを制したプレジデントシチーや、
1996年の東京大賞典を制したキョウトシチーや、
2000年の武蔵野Sを制したサンフォードシチーなどが挙げられます。
そして最近の代表的な存在として
は、2009年のジャパンCダート、
2010年のフェブラリーSなど、地方交流を含めてGIを9勝し、
10億2319万円もの賞金を稼ぎ出したエスポワールシチーが挙げられるでしょう。
「友駿ホースクラブ」は、エスポワールシチーが最も活躍した2009年に、
「20勝・獲得賞金4億8577万円」という成績を残しておりましたが、翌年以降は、
2010年→「15勝・獲得賞金3億5948万円」
2011年→「14勝・獲得賞金3億3573万円」
2012年→「9勝・獲得賞金2億5217万円」
2013年→「10勝・獲得賞金2億4248万円」
2014年→「12勝・獲得賞金2億5907万円」
と、全盛期に比べて物足りない状況が続いていた上、昨年は、
「10勝・獲得賞金1億7032万円」と、2009年の4割以下という結果に留まっていたのです。
そのため、クラブの関係者全員が、「今年は絶対に巻き返したい」と考えている筈ですが、
先週までの成績は、「6勝・獲得賞金9436万円」と、昨年のペースを更に下回っております。
そして、この状況が出資者の伸び悩みに繋がっているようで、同クラブは、
全部で11頭いる「2015年産募集馬」(現1歳世代)について、昨
年の12月22日(火)から出資を受け付けておりますが、募
集開始から8ヶ月以上が経過しているにも関わらず、既に満口となっているのは1頭のみで、
残りの10頭は、現在も募集中となっているのです。
したがって、現在は同クラブの関係者全員が、
「過去の募集馬を活躍させてクラブの知名度を上げ、残りの馬を早く満口にしたい」と強く願っている筈であり、
一般的に注目度の高い重賞を勝てば、その効果が大きいのは間違いありません。
また、「友駿ホースクラブ」は、グランドシチーを出走させた2013年のマーチSを勝って以来、
重賞で「32連敗中」となっておりますので、現在、同クラブの関係者達は、
「早く連敗を止めたい」とも願っている筈です。
そのため、今週、1着賞金3900万円(馬主の取り分は8割の3120万円)
の北九州記念に登録しているフルールシチーについては、クラブの関係者達から、
同馬を管理している西園調教師に対して、かなり勝負懸かった指示が出ているのでしょう。
フルールシチーは、前走の1000万条件を勝ち上がったばかりですから、
今回はほとんど人気を集めない筈ですが、
「安易に消しと判断するべきではない」と見ております。