高松宮記念に登録している、
木村哲也厩舎のアルビアーノについて。
家族や親戚に関係者がいた訳ではなく、お父さんがサラリーマンだった木村調教師は、
元々、競馬の世界に進むつもりではなく、大学も工学部を出ていますし、
馬に乗った経験も全くなかったそうですが、急に馬と関わる仕事がしたくなって、
一人で北海道に行って牧場で働き、その後は、アイルランドにも行って、馬のことを学んだそうです。
それからは、2000年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、
その年の12月に、1980年の中山記念を勝ったヨシノスキーや、
1985年のクイーンSを勝ったアサクサスケールなどを育てた、
佐藤征助さんの厩舎の厩務員になって、次の年の5月からは、
高橋裕調教師の厩舎の調教助手になりました。
その後は、勢司和浩調教師の厩舎や、中川公成調教師の厩舎で経験を積んで、
2011年に調教師の試験に受かって、その年の6月に自分の厩舎を開業しています。
初めの年は、「6勝・獲得賞金5941万円」という成績でしたけど、その後は、
2012年→「9勝・獲得賞金1億6274万円」
2013年→「16勝・獲得賞金2億0122万円」
2014年→「14勝・獲得賞金2億2627万円」
と、順調に数字を伸ばしていましたし、
去年は、アルビアーノを使ったフラワーCで初の重賞勝ちを飾っています。
しかも去年は、全体の数字が、一昨年の倍以上となる「31勝・獲得賞金4億8361万円」という、
今までで一番でしたから、この結果にはかなり満足した筈です。
ただ、今年に入ってから先週までは、「6勝・獲得賞金8143万円」という成績で、
去年の同じ時期の「8勝・獲得賞金1億2932万円」と比べて、勝ち星は2つ、
賞金は4000万円以上も少ないのですから、木村調教師は、これから巻き返しに全力を注いでくるでしょう。
そして木村調教師は、今週、1着賞金が9800万円の高松宮記念にアルビアーノを登録していて、
この馬が勝てば、一気に獲得賞金を増やせますし、木村調教師にとって「初めてのG1勝ち」となります。
そのため、調教師がどう仕上げてくるのかが気になっていましたので、最終追い切りの様子を確認したところ、
南ウッドで強めに追われて、5Fが68秒2、終いの1Fが12秒6という時計を出していて、
前にシルヴァーコード(古馬1000万下)、後ろにモルジアナ(古馬1600万下)という形の3頭併せで、
直線で仕掛けられると一気に伸びてシルヴァーコードと同入していました。
気合い乗りが抜群でしたし、動き自体も、
状態がいい馬ならではの軽快なものでしたから、力を出し切れると思います。