野中賢二調教師がチャンピオンズCに使う、
カゼノコについて。
野中調教師は、1982年に藤岡範士調教師のところの厩務員となり、
その後、助手として経験を積んで、2007年に調教師の試験に受かり、
次の年の3月に自分の厩舎を開業していますので、今年で7年目となります。
また、野中調教師が厩舎を開業した時には、
トウカイテイオーやフラワーパークやスティルインラブなどの活躍馬を育て、
2008年に引退した松元省一さんの厩舎から馬を引き継いでいますが、
その内の1頭のトウカイトリックを使った2010年の阪神大賞典が、
師にとって初めての重賞勝ちとなっています。
その後、野中調教師は、なかなか重賞で結果を出せませんでしたけど、
一昨年の12月には、トウカイトリックでステイヤーズS、
エーシンメンフィスで愛知杯を勝ち、全体の成績を見ても、
「23勝・獲得賞金4億6078万円」という、
これまでで一番の成績を残しました。
ところが、昨年の野中調教師は、「14勝・獲得賞金1億9119万円」に留まってしまった上、
今年は先週までに、24勝を上げているものの、賞金面で言えば一昨年と比べると、
1億円近く少ない3億6200万円となっています。
その大きな要因は、今週のチャンピオンズCを使うカゼノコで、
交流GIのジャパンダートダービーを勝ってはいるものの、
JRAの重賞では、毎日杯のエイシンブルズアイの2着が最高で
まだ1つも勝てていない点が挙げられるでしょう。
この状況に対して、野中調教師は、間違いなく危機感を持っていると私は思いますし、
JRAの重賞で結果を出しておかなければ、馬主さん達に
「野中厩舎に馬を預けてもJRAの重賞は勝てない」
という印象を与えてしまい、今後、いい馬を預けてもらうのが難しくなってしまう可能性があります。
当然、そういった馬主さん達の心理は、師自身もよく分かっている筈です。
そのため、チャンピオンズCに使うカゼノコに対しては、
野中調教師が勝負仕上げ施してくると見ていましたので、
最終追い切りの内容を念入りに確認したところ、
レースで乗る秋山騎手が跨りCウッドで終い重点に追って、
全体で83秒4、ラスト1ハロン11秒9をマークしていました。
コンマ8秒ほど先行させたエンキンドルを追い掛ける内容で、
スムーズな脚捌きで軽快な動きを見せていましたし、
気合い乗りも抜群でしたから、この馬の力を出せるデキに仕上がったと判断していいと思います。
7月のジャパンダートダービーからぶっつけで臨んだ前走のJBCクラシックでは、
7着に敗れてしまったため、今回はそれほど人気を集めないのでしょうけど、
仕上がりの良さを活かして、
上位に食い込んでくる可能性は大いにあると見ておくべきでしょう。