モハメド殿下がセントウルSに出走させる、
ティーハーフについて
ドバイ首長国の首長であり、アラブ首長国連邦の副大統領兼首相でもあるモハメド殿下は、
世界的に有名な競走馬管理団体・ゴドルフィンを擁するオーナーブリーダーで、
ドバイ国際競走の創設者としても広く知られております。
そしてモハメド殿下は、競走馬の生産と育成や、
種牡馬の繋養を世界規模で行っているダーレー・グループの代表でもあり、
同グループは、イギリス・ニューマーケットのダルハムホール・スタッドを本部としており、
アイルランド、アメリカ、イギリス、オーストラリア、
フランスと世界各地に牧場を所有している上、2002年の6月には、
グループの日本法人として、ダーレー・ジャパン株式会社を設立しました。
同社は、2004年の9月、日本に於ける生産の拠点として、
日高の富川にダーレー・ジャパン・ファーム有限会社を設立し、
2008年には、鵡川にあった西山牧場を買い取るなど、
日本での生産規模を徐々に拡大しており、現在では、道内に7つの牧場を所有している筈です
また、ダーレー・ジャパン株式会社は、
メイショウさんこと松本好雄オーナーの馬係をしていた三嶋牧場の専務
三嶋健一郎さんを取締役として迎え入れていますので、
ただ単に規模を拡大するだけではなく、いい人材を揃えて、
日本で腰を据えて活動すると、早い段階から考えていたのでしょう。
なお、JRA馬主としてのモハメド殿下は、2009年の11月に個人馬主資格を取得し、
2010年から実際に馬を走らせ始め、同年は、出
走頭数が少なかったため3勝に終わったものの、翌年以降は、
2011年→14勝・獲得賞金1億9530万円(馬主リーディング65位)
2012年→28勝・獲得賞金4億3556万円(同25位)
2013年→51勝・獲得賞金9億1283万円(同8位)
2014年→64勝・獲得賞金11億9247万円(同7位)
2015年→73勝・獲得賞金12億6256万円(同6位)
という形で順調に数字を伸ばしておりました。
ただ、今年に入ってから先週までの成績は、39勝・獲得賞金7億0659万円(同8位)と、
昨年のペースを下回っておりますので、モハメド殿下は、この数字に決して満足していないと見ております。
また、モハメド殿下は、これまで毎年のように、
世界最大の1歳馬市場と言われているキーンランド・セプテンバーセールに参加しており、
昨年も、エージェントのジョン・ファーガソン氏の名義で、
計24頭を総額823万5000ドル(当時のレートで約9億8820万円)で落札しておりました。
もちろん、9月12日(月)~25日(日)に行われる今年の同セールに於いても、
多くの馬を落札する可能性が非常に高いと考えられ、モハメド殿下でしたら、
潤沢な資金でセールに参加するため、所有馬で多額の賞金を稼いでおきたいと考えるでしょう。
そして今週は、1着賞金5900万円(馬主の取り分は8割の4720万円)
のセントウルSにティーハーフを出走させますので、、明らかに勝負懸かりと見ていましたし、
最終追い切りの内容を確認したところ、
国分優作騎手(レースでは藤岡康太騎手が騎乗)が坂路で一杯に追って、
4Fが51秒6、終いの1Fが12秒5という時計でまとめておりました。
体重の軽いヤネやったとは言え、渋った馬場状態の中、これだけの時計が出
せたのは、調整がうまくいった証拠でしょうし、馬体の張りと毛ヅヤも本当
によく見えたので、力を出せるデキに仕上がっているんでしょう。
というものでした。
この馬は、前走までで7連敗中のため、今回は人気にはなりませんが、
仕上がりの良さを活かして上位に入ってくる可能性があるでしょう。