森秀行調教師が鳴尾記念に使う、
フレージャパンについて。
森調教師は、1981年から調教師の試験に受かった1993年まで、
ダービーを勝ったタニノハローモアや、
皐月賞とダービーを勝ったミホノブルボンなどを育てた戸山為夫調教師の厩舎で、
厩務員と調教助手をやっておりました。
1993年、調教師の試験に受かった森調教師は、
この年の5月に戸山調教師が亡くなったので、
急遽、その厩舎を引き継ぐ形で9月に開業しております。
で、2ヶ月後には早くも、レガシーワールドを使ったジャパンCを勝って、周りをアッと言わせました。
それからも、シーキングザパールを使った1997年のNHKマイルCとか、
エアシャカールを使った2000年の皐月賞と菊花賞とか、
ノボトゥルーを使った2001年のフェブラリーSとか、
キャプテントゥーレを使った2008年の皐月賞とか、
大きなレースで結果を残しておりますし、2009年には、
それまで渡辺栄調教師と山内研二調教師しか達成していなかった、
「JRA全10場重賞制覇」も達成しております。
それに森調教師は、管理馬を海外のレースにどんどん挑戦させていて、
1995年にはフジヤマケンザンで、
当時はまだG2だった香港国際C(今の香港C)を勝っておりますし、
1998年には、シーキングザパールでフランスのモーリス・ド・ゲスト賞を勝って、
2000年には、アグネスワールドでイギリスSのジュライCを勝つなど、
キッチリ結果を残しております。
2006年の森調教師は、重賞5勝を含む48勝を上げて、
12億0238万円を稼いでいたんです。
けど、去年までの3年間は、
2013年→27勝・獲得賞金3億9889万円
2014年→27勝・獲得賞金4億9522万円
2015年→15勝・獲得賞金4億0946万円
と、2006年と比べたら物足りない数字が続いておりますので、
今年の森調教師は、「必ず巻き返したる」と考えている筈です。
ただ、先週までは「11勝・獲得賞金1億6899万円」となっていて、
勝ち星は去年の数字に「あと4つ」なんですが、
賞金は「2億4047万円」も少ないのですから、
去年より稼ぐためには、もっとペースを上げる必要があります。
しかも、2011年には、ドスライスを使ったクラスターC(交流重賞)を勝っておりますけど、
JRAでは、キャプテントゥーレを使った2010年の朝日チャレンジCを勝ったのが最後で、
重賞の連敗が「97」まで伸びておりますから、
今の森調教師は、「早く重賞の連敗を止めたい」とも考えている筈です。
今週、1着賞金が4100万円の鳴尾記念に使うフレージャパンを、
森調教師がメイチに仕上げてくると見ていたから、
最終追い切りの内容を念入りに確認したところ、坂路で一杯に追われて、
4Fが49秒8、終いの1Fが12秒9という速い時計を出しておりました。
ウリボー(古馬500万下)をコンマ3秒先行して、
最後はコンマ1秒先着という内容で、併せた相手に少し差を詰められておりましたけど、
この日の一番時計だった相手を、抜かせなかった勝負根性は見事なものでした。
それに、仕掛けられた時の反応は抜群で、一気に伸びておりましたから、
森調教師がキッチリ仕上げてきたと判断しております。