和田正道調教師が愛知杯に使う、
クインズミラーグロについて。
和田調教師の実家は、千葉県の成田市にある「和田牧場」です。
師は、大学で獣医の資格を取った後、
１９７８年から、シンボリルドルフを育てた野平祐二さんの厩舎で助手として経験を積んで、
１９８２年に調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しました。
最初の年に１１勝を上げると、その後も毎年のように２０勝近くを上げていましたし、
今までにＪＲＡで通算６４１勝を上げていて、その中には、
プロモーションを使った１９９７年のクイーンＳや、
ゴッドオブチャンスを使った２００２年の京王杯スプリングＣや、
トップガンジョーを使った２００６年のエプソムＣなど、重賞の１０勝もあります。
また和田調教師は、上原博之調教師、尾関知人調教師、新開幸一調教師、
そして息子の正一郎調教師と、４人の弟子を自分の厩舎で経験を積ませて、
師らはみんな、調教師の試験に受かっているので、馬を育てるだけでなくて、
弟子もしっかり指導していますから、大したものです。
和田調教師は、さっき書いた通り、毎年のように２０勝近くを上げていて、
２００５年には「３０勝・獲得賞金５億６０８１万円」と開業してから一番いい成績を残していますし、
その後も、２００６年が「２８勝・獲得賞金５億２５２５万円」、
２００７年が「３０勝・獲得賞金４億５８５６万円」と、
２００５年に近い数字を残していました。
ただ、一昨年までの３年間は、
２０１１年→２１勝・獲得賞金３億７１１９万円
２０１２年→１５勝・獲得賞金２億７４６９万円
２０１３年→２４勝・獲得賞金３億６２３１万円
と書けば分かる通り、いい頃の数字を大きく下回っていました。
ですから、２０１４年の和田調教師は、「巻き返したい」と考えていた筈で、
実際、「２６勝・獲得賞金４億１２７７万円」と、前の３年間よりいい結果を残せたので、
２０１６年を迎えるにあたって和田調教師は、
「この勢いで、一番良かった２００５年の数字を超えたい」と思っていたでしょう。
でも去年は、「１５勝・獲得賞金３億１４４０万円」と、
前の年から大きく数字を落としていますので、今年の師は、
「去年の二の舞にしたくない」と考えている筈です。
それに師の厩舎は、ギルティストライクを使った２０１０年の東京ジャンプＳから、
重賞の連敗が「６０」まで伸びていますので、
「早くこの連敗を止めたい」とも思っているでしょう。
そして今週、和田調教師は、１着賞金３６００万円
の愛知杯にクインズミラーグロを登録していて、和田調教師の立場でしたら、
「ここで重賞を勝って流れを変えたい」と考えて、お釣りを残さずメイチに仕上げます。
そこで、実際に和田調教師がどう仕上げてくるのかを確認しようと思って、
最終追い切りの様子を見たところ、ポリトラックで、
全体が５４秒２、終いの１Ｆが１２秒１という時計をマークしていました。
１０日（日）の追い切りでは、同じポリトラックで強めに追われていましたから、
サッと流す程度のものでしたけど、とても力強い脚捌きでしたから、
デキがいいのは間違いないと思いますので、いいレースが期待できそうです。