中舘英二調教師がフェアリーSに使う、
ビービーバーレルについて。
中学生の頃から騎手を目指していた中舘調教師は、
加藤修甫さんの厩舎から、1984年の3月に乗り役としてデビューしました。
加藤さんと言えば、1990年のダービーを勝ったアイネスフウジンや、
1998年の天皇賞・秋を勝ったオフサイドトラップなどを育てたことがよく知られています。
デビューしてからの中舘調教師は、
1992年→ブランドアートに乗ったフラワーCで初めての重賞勝ち
1993年→ヒシアマゾンに乗った阪神3歳牝馬S(今の阪神ジュベナイルF)で初めてのGI勝ち
1994年→ヒシアマゾンでエリザベス女王杯など重賞6勝
2001年→自身初の「年間100勝」を達成
2005年~2009年→5年連続で「年間100勝」を達成
といった実績を残して、一昨年の12月に調教師の試験に受かって、
去年の2月で引退するまでに、重賞の30勝を含む通算1823勝という数字を残しているのですから大したものです。
ちなみに、彼の同期には、今も現役で頑張っている木幡初広調教師、
調教師となった鹿戸雄一調教師、調教助手となった谷中公一調教師、出津孝一調教師などがいます。
去年の3月に自分の厩舎を開業した中舘調教師は、26戦目、
5月2日(土)の春日山特別に使ったブリリアントアスクで初めて勝つと、その他にも、
5月16日(土)→ラスパジャサーダスを使った3歳未勝利
6月20日(土)→アルマククナを使った2歳新馬
6月27日(土)→マイネルカレッツァを使った3歳未勝利
8月22日(土)→ビービーバーレルを使った2歳未勝利とラスパジャサーダスを使った3歳上500万下
9月21日(月)→ブリリアントアスクを使った白井特別
と、全部で7勝しています。
この5頭の中で、中舘調教師の思い入れが強いのは、
3勝目を上げたアルマククナと5勝目を上げたビービーバーレルでしょうね。
と言いますのも、この2頭以外の3頭は、師が厩舎を開業する時に他の厩舎から移ってきた馬ですが、
アルマククナとビービーバーレルは、初めから自分で育てた馬なのですから。
また、ビービーバーレルを使うフェアリーSは、
師にとって「調教師として初めての重賞勝ち」が懸かったレースですから、
師の立場であれば、「何が何でも勝ちたい」と考えて、メイチに仕上げるでしょう。
そう思って、追い切りを確認したところ、ウッドに入れられて、
全体が70秒3、終い1Fが12秒5という時計を出していました。
コンマ4秒先行していたアンネイを追い掛ける形の稽古で、
最後は楽にコンマ4秒先着していましたし、動きそのものも、
「力を出し切れるデキに仕上がった」と思えるものでしたから、いいレースが期待できそうです。