矢野英一調教師が新潟2歳Sに使う、
ファドについて。
矢野調教師は、1996年に競馬学校の厩務員課程に入って、
次の年の4月から、札幌記念を勝ったコバノリッチなどを育てた阿部新生師のところの厩務員となって、
その年の10月からは、お父さんの矢野照正師のところで調教厩務員となり、
1998年の10月からは調教助手をやっていました。
照正師と言えば、1988年の根岸Sと1989年のスプリンターズSを勝ったウィニングスマイルや、
1991年のエプソムCと毎日王冠と天皇賞・秋を勝ったプレクラスニーなどを手掛けていましたし、
英一調教師が厩舎に入ってからも、1998年の日経賞を勝ったテンジンショウグンや、
1999年のアルゼンチン共和国杯と2000年の日経新春杯を勝ったマーベラスタイマーなどがいました。
そして、2009年に自分の厩舎を開業した矢野調教師は、最初の年に9勝を上げると、
2010年に26勝、2011年に18勝、2012年に23勝と、コンスタントに20勝近くを上げ、
2013年には、フォーエバーマークを使ったキーンランドCで初の重賞勝ちを果たし、
今までで最高となる3億7418万円の賞金を獲得するなど、順調に実績を積んでいるのですから、
照正師の厩舎で走る馬を間近で見られた経験が十分に活きているのでしょう。
ただ、去年の矢野調教師は、15勝を上げたものの、
獲得賞金は前の年より1億円以上も少ない2億3947万円というものでしたから、
今年は矢野調教師が、「少しでも一昨年の数字に近づけたい」と考えていた筈で、
先週までに11勝を上げ、1億8703万円の賞金を獲得と、
去年を上回るペースで勝ててはいるものの、それでも一昨年の半分ほどの数字に留まっていますので、
今週以降は全力で巻き返しを図ってくると見ています。
しかも、矢野調教師は、先ほど書いたフォーエバーマークで勝った一昨年のキーンランドCから、
丸2年も重賞勝ちをご無沙汰しているのですから、「久々に重賞を勝ちたい」とも考えていることでしょう。
そのため、新潟2歳Sに使うファドについては、メイチの勝負仕上げで出走させてくると見ていましたので、
最終追い切りの内容を確認したところ、レースでも乗る津村騎手がポリトラックに入れて、
全体53秒0、終い12秒1という時計を馬なりで出し、
ジュビリーラインを1秒2追走して、最後はコンマ2秒先着していました。
テンからスムーズに加速して、伸び伸びとしたフットワークを見せていましたので、
矢野調教師が力を出し切れるデキに仕上げてきたと判断していいでしょう。