京都牝馬Ｓにパワースポットを、
東海Ｓにイッシンドウタイを登録している
「グランド牧場」について。
「グランド牧場」は、１９２７年から続いている老舗で、今は、静内と新冠に３ヶ所の繁殖場と、
静内と岩手県の遠野市の２ヶ所に育成場を持っていて、１９８５年からは、
３代目の伊藤佳幸さんが牧場の代表者となっています。
ここの生産馬ですぐに思い付くのは、やはり２００５年の天皇賞（春）を勝ったスズカマンボで、
「グランド牧場」にとっては、これが初めてのＧＩ勝ちでしたから、
代表の伊藤さんをはじめとした牧場の皆さんは、この結果を心の底から喜んだ筈です。
馬主資格を持っているオーナーブリーダーの「グランド牧場」は、最近、
一年あたり６０頭から７０頭くらいを生産して、その内の２０頭から４０頭くらいをセールに上場して、
それ以外を自分達の持ち馬として走らせていますね。
つまり、全ての生産馬をセールに上場する牧場よりも、持ち馬の賞金が重要になる訳ですが、
賞金の高いＪＲＡの重賞で持ち馬が勝ったのは、スマートボーイを使った２００３年のマーチＳが最後で、
それからもう１１年以上も勝てていません。
それもあって、２００３年には、
「２６勝・獲得賞金４億２５７３万円」といういい成績を残していたものの、
ここ何年かは、
２０１０年→５勝・獲得賞金９１８５万円
２０１１年→７勝・獲得賞金１億２５６５万円
２０１２年→１０勝・獲得賞金１億７８３４万円
２０１３年→９勝・獲得賞金２億３８３７万円
２０１４年→６勝・獲得賞金１億５８９４万円
と、２００３年の数字を大きく下回っていますので、
牧場の関係者全員が、「とにかく少しでも多くの賞金を獲得したい」と考えているでしょう。
また、先ほども書いた通り、「グランド牧場」は、毎年、多くの生産馬を競走馬セールに上場していまして、昨年も、
「セレクトセール」→計１３頭を上場し、９頭を２億０７００万円で販売（主取４頭）
「セレクションセール」→計５頭を上場し、４頭を３７３０万円で販売（主取１頭）
「ＨＢＡサマーセール」→計１７頭を上場し、１３頭を８１１０万円で販売（主取４頭）
「ＨＢＡオータムセール」→計１０頭を上場し、６頭を１６５０万円で販売（主取４頭）
と、４つのセールに計４５頭を上場し、３２頭を総額３億４１９０万円で販売していました。
ただ、買い手の付かなかった「主取」は、全部で１３頭と、決して少なくない頭数が出てしまいましたから、
きっと、牧場の関係者達は今、「生産馬を活躍させて、今年のセールではできる限り主取を減らしたい」と考えている筈です。
そのため、私がグランド牧場の関係者であれば、京都牝馬Ｓに登録しているパワースポット、
東海Ｓに登録しているイッシンドウタイについては、前者を管理している菊沢調教師と、
後者を管理している伊藤圭三調教師に対し、間違いなく勝負懸かった指示を出しますね。
実際、最終追い切りについての報告も、
■パワースポット
「坂路に入れられて、全体が５５秒８、終い１ハロンが１３秒２という時計を出していましたね。
１週前追い切りで菊沢調教師自ら南ウッドに入れて、手応えを確かめるように長めに乗っていまし
たし、京都への輸送のことを考えればこれくらいで十分でしょう」
■イッシンドウタイ
「昨日、北馬場のダートに入れられて、全体が６９秒０、終い１ハロンを１２秒８でまとめていま
した。中１週での競馬になりますので、軽目に流す程度のものでしたが、スリープレシャスをコン
マ２秒追いかける形での調教で、最後は同入に持ち込んでいたように、ポルックスＳを勝った時の
いい状態をキープできていると見てよさそうです」
という見込み通りものでした。
どちらも、あまり人気にならないでしょうが、
マークしておく必要があると思っています。