ドイツのハンスユルゲン・グリューシェル調教師がジャパンCに使ってくる、
イキートスについて。
グリューシェル調教師は、旧東ドイツのドレスデン市の生まれで、
お父さんのハンスさんとお兄さんのエックハルトさんも調教師という競馬一家で育ちました。
1961年からリヒャルト・コルトゥム厩舎で、
1964年からお父さんのハンスユルゲン・ハンス厩舎で、それぞれ経験を積んで、
1972年に、引退したお父さんの厩舎を引き継ぐ形で自分の厩舎を開業しています。
東ドイツ時代には、
ファルケンゼーを使った1976年のDDR大賞(東ドイツのダービー)や
ポーランドセントレジャー、ヴィトルドを使った1984年と1985年のベフライウング賞などを勝っていました。
ドイツが統一された1990年には、ドレスデン市からハノーファー市に厩舎を移していて、
その後も、アヤノを使った1997年のミュラーブロート大賞や、
ヴァレリアを使った2007年のドイツェンアインハイト賞など、
重賞をいくつも勝っていて、2008年には、通算1000勝を達成していますし、
2012年には48勝を上げてリーディング4位になっています。
でも、去年までの3年間は、
2013年→34勝(リーディング8位)
2014年→30勝(リーディング7位)
2015年→22勝(リーディング11位)
と、2012年と比べたら物足りない成績が続いていましたから、
今年のグリューシェル調教師は、「絶対に巻き返したい」と考えているのでしょう。
ただ、今年は、イキートスでG1のバーデン大賞を勝っていますが、他の馬があまり活躍できていないので、
先々週までの成績は19勝(リーディング15位)というものですし、
稼いだ賞金も47万5745ユーロ(日本円で約6240万円)に留まっていますから、
グリューシェル調教師でしたら、「1着賞金が3億円のジャパンCは、何が何でも勝ちたい」と考える筈です。
イキートスは、11月16日(水)の午後5時頃に、
イラプト(フランス)とナイトフラワー(ドイツ)と同じ便で成田空港に着いて、
午後9時頃、白井の「競馬学校国際厩舎」に入りました。
この馬は、前々走と前走で負けていますけど、3走前のバーデン大賞では、
一緒に日本に来たナイトフラワーや、ドイツのオークスを勝っているゼーリアンホルデや、
イタリアのG1を3勝しているディランマウスや、
2012年のフォワ賞でオルフェーヴルの2着だったミアンドルなど、
骨っぽい相手に勝っていますから、「底力のあるタイプ」と判断できます。
それに、日本に来てからの様子は、
「輸送の疲れを感じさせませんし、競馬学校の調教コースでは、
雨の影響で渋っていた馬場を全く気にせず走っていましたので、
道悪でも力を出せるタイプなのでしょう」
という報告が届いていますので、これからキッチリ仕上がって、
気分良く走れれば、一発があるかもしれません。