中川公成厩舎がヴィクトリアマイルに登録している、
マジックタイムについて。
中川公成調教師は、1989年の5月に競馬学校の厩務員課程に入って、
その年の9月から、藤沢和雄調教師の厩舎で厩務員をやっていました。
その後は、1991年の4月から石毛善衛さんの厩舎で
、1998年の3月からは萱野浩二調教師の厩舎で調教助手をやっていて、
調教師の試験に受かったのは2005年のことです。
中川調教師がいた頃、石毛さんの厩舎には、
1992年のフラワーCを勝ったブランドアートがいましたし、
萱野調教師の厩舎には、2002年のフローラSを勝ったニシノハナグルマがいましたから、
こういう風に、それぞれの厩舎で走る馬を間近で見られたことが、
師にはいい経験になったのでしょう。
そして、2006年に自分の厩舎を開業した中川調教師は、
この年は5勝しかできず、賞金を8730万円しか稼げなかったのですが、
2007年は「10勝・獲得賞金1億3815万円」という成績で、
前の年より5000万円以上も賞金を増やしていましたし、
2008年は「14勝・獲得賞金2億0503万円」という形で、順調に成績を伸ばしていました。
ただ、その後の5年間は、
2009年→獲得賞金1億9013万円(13勝)
2010年→獲得賞金1億9305万円(8勝)
2011年→獲得賞金1億8733万円(11勝)
2012年→獲得賞金1億9894万円(12勝)
2013年→獲得賞金1億8689万円(14勝)
と、2008年の数字を下回っていました。
でも、2014年は、菊花賞で3着に入ったゴールドアクターなどの活躍で、
「16勝・獲得賞金2億9933万円」という成績を残していましたし、
去年の中川調教師は、ゴールドアクターを使ったアルゼンチン共和国杯で、
初めて重賞を勝ちましたし、この馬が有馬記念も勝って
、「17勝・獲得賞金5億1932万円」と、
一気に成績を伸ばすことができましたから、師は本当に嬉しかったのでしょう。
ただ、去年は今までで一番の成績を残すことができましたけど、
一昨年までは重賞を一つも勝てていなかった訳で、今年、成績が落ちてしまえば、
「去年はたまたまだった」と言われてしまう筈ですから、そうなれば、
馬主さん達からいい馬を預けてもらえなくなってしまいますので、
中川調教師でしたら、「今年も去年のようにいい成績を残したい」と考えます。
実際、今年の中川厩舎は先週までで、ゴールドアクターを使った日経賞と、
マジックタイムを使ったダービー卿CTを勝つなど、
「獲得賞金2億0541万円」(7勝)という成績を残していますので、
見込みは正しかったのでしょう。
ただ、二つ目のGI勝ちを狙っていた天皇賞・春のゴールドアクターは、
残念ながら12着という結果に終わっていますし、この馬は、
これから放牧に出されて、秋まで休むことが決まっています。
ですから、ヴィクトリアマイル(1着賞金9300万円)に登録しているマジックタイムには、
中川調教師が、「何が何でも勝って欲しい」という思いを込めている筈です。
そこで、実際に中川調教師がどう仕上げてくるのかを確認しようと思って、
最終追い切りの様子を見たところ、
レースでも乗る予定のボウマン騎手が南ウッドに入れて、
5Fが67秒2、終いの1Fが13秒2という時計を馬なりで出していました。
決して早い時計ではありませんが、馬場が渋っていましたから、これで十分なのでしょう。
それに、1秒先行していたワンパーセント(古馬500万下)を追い掛けて、
最後は同入に持ち込んでいましたし、脚捌きは力強いもので、
毛ヅヤもピカピカでしたから、デキがいいのは間違いないと思えました。
これなら、上位争いに食い込める筈です。