堀宣行調教師がダービー卿ＣＴ(G3)に使う、
キャンベルジュニアについて。
千葉県市川市出身の堀調教師は、日本大学の商学部に通っている時に、
実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたそうです。
そして大学を出た後は、電気設備工事などをやっている「関電工」で経理の仕事をしていたそうですが、
１９９１年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入っていますので、
中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。
競馬学校を出てからの堀調教師は、諏訪富三さんの厩舎で厩務員になって、
二ノ宮敬宇調教師の厩舎で調教助手をやって経験を積んで、
自分の厩舎を開業したのは２００３年ですから、今年で１４年目を迎えました。
初めの年は、「６勝・獲得賞金１億２３６９万円」という成績でしたが、
次の年に、「１６勝・獲得賞金２億２８０１万円」と大きく数字を伸ばすと、
その後は、毎年欠かさず、最低でも２０戦以上を勝っています。
２０１１年には、キンシャサノキセキを使った高松宮記念、
ジャガーメイルを使った天皇賞・春と、２つのＧＩを勝って、
それを入れて重賞を５勝、全体で４３勝、獲得賞金は「１１億５３８７万円」という数字を残していました。
その中で特に、「これは素晴らしい」と感じたのは、２割１厘という勝率でして、
その年の調教師リーディングだった角居勝彦調教師が１割７分２厘、
その年の獲得賞金が一番だった池江泰寿調教師が１割６分３厘と書けば、
堀調教師の残した数字の高さがよく分かるでしょう。
去年の堀調教師は、ドゥラメンテを使った皐月賞とダービーや、
モーリスを使った安田記念とマイルＣＳなど、重賞を８勝もして、
全体で５４勝（勝率は２割３分）を上げて、初めてリーディング１位になりましたけど、
この結果に堀調教師は満足していないと見ています。
と言いますのも、リーディング２位だった池江泰寿調教師の厩舎は、
獲得した賞金が「１８億６９６０万円」でしたが、
堀調教師の厩舎は「１５億２４８５万円」で、３億円以上の差を付けられていましたから。
もちろん、今年の堀調教師は、「勝利数と獲得賞金の両方で１位になりたい」と考えている筈です。
ただ、今年のリーディングと獲得賞金は、
□リーディング
１位：矢作芳人厩舎→１６勝
２位：音無秀孝厩舎→１４勝
３位：角居勝彦厩舎→１３勝
４位：堀宣行厩舎→１３勝（２着の差で４位）
□獲得賞金
１位：石坂正厩舎→３億５１８９万円
２位：音無秀孝厩舎→３億４７１５万円
３位：堀宣行厩舎→３億３１７３万円
と書けば分かる通り、堀調教師は、「両方で１位」どころか、
勝ち鞍と獲得賞金のどちらも順位が下がっていますので、きっと今は、
「これからしっかり巻き返したい」と思っているのでしょう。
しかも堀調教師の厩舎は、去年の皐月賞とダービーを勝つなど、
今までに「４億５５５７万円」の賞金を獲得している「稼ぎ頭」のドゥラメンテを、
３月２６日（土）のドバイシーマクラシックに使いましたけど、残念ながら２着に終わってしまいました。
ですから、今の堀調教師は、「ドゥラメンテで勝ち損ねた悔しさを晴らしたい」とも考えている筈です。
そして今週は、ダービー卿ＣＴ（１着賞金６７００万円）にキャンベルジュニアを使いますので、
早い内から「きっと勝負懸かり」と見ていましたし、最終追い切りの様子を確認したところ、
南ウッドで、４Ｆが５４秒９、終いの１Ｆが１２秒５という時計を出していました。
馬なりでしたから、時計は目立つものではなかったのですが、
ストロングバローズ（３歳オープン）をコンマ４秒先行して、
少し差を詰められたものの、キッチリ先着していましたし、動き自体も、
デキがいい馬ならではの軽快なものでしたから、好レースが期待できそうです。