石坂正調教師が富士Sに使う、
アルバタックスについて。
石坂調教師は、立命館大学の経済学部を卒業した後、北海道の牧場で働いていて、
1979年からは、有馬記念を勝ったダイユウサクや、
スプリンターズSで2着に入ったエイシンワシントンなどを育てた内藤繁春さんの厩舎で、
厩務員と助手として経験を積んでおりました。
1982年に橋口弘次郎調教師の厩舎に移って、それから15年近くそこで助手をやって、
1997年に、12回目の挑戦で調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業しております。
その時、橋口調教師の厩舎から何頭かを引き継いでいて、
3年目の2000年には、引き継いだ中の1頭ダイタクヤマトでスプリンターズSを勝つと、
その後も、アロンダイトを使った2006年のジャパンCダート、
アストンマーチャンを使った2007年のスプリンターズS、
ヴァーミリアンを使った2008年のフェブラリーS、
ジェンティルドンナを使った2012年の牝馬3冠やジャパンCなど、
今までにJRAで、GIの12勝を含めて重賞を43勝もしております。
で、石坂調教師の厩舎は2011年に、44勝して全国リーディングで4位になっておりましたし、
2012年は、前の年より勝ち鞍は8つ少ない36勝でしたけど、
重賞を11回も勝って、今までで一番多い「14億3994万円」の賞金を稼いでおりました。
ですが一昨年と去年は、
2013年→32勝・獲得賞金9億5658万円
2014年→31勝・獲得賞金8億9007万円
と、2年続けて賞金を減らしていて、特に去年は、2012年より5億円以上も少なかったんですから、
今年の石坂調教師は、間違いなく「何が何でも悪い流れを変えたい」と考えている筈です。
ただ、実際は先週までに、ベストウォーリアを使ったプロキオンS、
タッチングスピーチを使ったローズSなどを勝っていて、26勝を上げているんですけど、
獲得賞金は「5億1188万円」という数字で、2012年と比べたら9億円以上も少ないですから、
今の石坂調教師は、「このままではアカン」と思っているでしょう。
それに、師のところは、「13億2621万円」の賞金を稼いでいたジェンティルドンナが、
去年の有馬記念を勝った後、引退して繁殖入りしておりますから、
今の石坂調教師は、「他の馬で稼がなアカン」とも思っている筈です。
そんで今週は、1着賞金が4000万円の富士Sにアルバタックスを使うんですから、
師だったら、後のことを考えないでメイチに仕上げるでしょうし、
この馬の最終追い切りを見ていたら、坂路で一杯に追われて、
全体が52秒9、終いが12秒9という時計を出しておりました。
コンマ5秒先行しとったサンライズネオを後ろから追い掛ける形の稽古で、
最後はコンマ2秒差まで差を詰めておりましたし、脚捌きに堅さが見らないので、
切れのある動きをしておりましたから、見込み通り、
石坂調教師が気合いを入れて仕上げてきたと判断しております。