ダービー卿CTにインパルスヒーローを登録している、
国枝栄調教師について。
国枝栄調教師が、東京農工大学農学部の獣医学科を卒業した後、
山崎彰義さん(1987年の新潟大賞典をセッテジュノーで勝つなど、
JRA通算247勝を記録)の厩舎の助手となったのは、
美浦トレセンが開場した1978年のことです。
その後の彼は、山崎師のところ一筋で腕を磨いていて、
1989年に調教師の試験に受かって、その次の年に厩舎を開業していて、
9年目の1998年には、ブラックホークを使ったダービー卿CTで、初めて重賞を勝つと、
2004年には、「44勝・獲得賞金9億4392万円」という今までで最高の数字を残していました。
更に、2010年の国枝調教師の厩舎は、牝馬3冠を達成したアパパネなどの活躍で、
「33勝・獲得賞金9億1420万円」という、いい成績を残していて、先週までに、
GIの11勝を含む重賞の36勝、JRA通算693勝を上げているのですから、
今では誰もが認める「美浦を代表する調教師」と言えるでしょう。
そして、一昨年の国枝調教師は、カミノタサハラを使った弥生賞や、
サトノアポロを使った中日新聞杯や、インパルスヒーローを使ったファルコンSや、
ヒラボクディープを使った青葉賞など、「37勝・獲得賞金8億0044万円」という成績を残していましたが、
去年は、「35勝・獲得賞金6億0732万円」と、前年より2億円近くも下回ったのですから、
この数字に国枝調教師は、悔しい思いをしている筈です。
ですから、今年は国枝調教師が、「少しでも一昨年の数字に近づけたい」と考えていた筈ですが、
先週までの時点で、「7勝・獲得賞金1億1610万円」と、去年を下回るペースとなっていますので、
今は国枝調教師が、「賞金の高い重賞を勝って、一気に賞金を稼ぎたい」と考えている筈です。
ただ、62頭いる管理馬の内、これまでに1億6116万円の賞金を稼いでいる「稼ぎ頭」のサイレントメロディは、
2012年8月5日(日)のしらかばSを勝ってから、「16連敗中」となっている上、
障害に転向した前走2月21日(土)で12着に大敗し、今は放牧されていて、復帰のメドは立っていないのですから、
国枝調教師が、「その分を他の馬でカバーしたい」と考えているのは間違いないと見ています。
そのため、1着賞金3800万円のダービー卿CTに登録しているインパルスヒーローについては、
国枝調教師がメイチの勝負仕上げで出走させてくると見ていましたので、
最終追い切りの内容を入念に確認したところ、
南ウッドに入れられて、全体が68秒4、
終いが12秒6という時計を出していました。
古馬オープンのヒラボクディープをコンマ8秒
追い掛ける形での調教で、終いを一杯に追われ
ると、一気に差を詰めて最後はコンマ2秒先着
していた動きは、私が「完璧に仕上がった」と
思えるものでした。
この馬は、一昨年のファルコンSを勝ってから、10連敗中となっているため、
それほど人気にはならないでしょうが、仕上がりの良さを活かして、
上位に入ってくる可能性もあると考えておくべきだと思っています。