「天羽牧場」が毎日杯に使う、
ペガサスボスについて。
「天羽牧場」は、創業が1930年という老舗で、今は天羽繁さんが社長をしていて、
息子さんの真崇さんと一緒に牧場を切り盛りしています。
「天羽牧場」の代表的な生産馬で私がすぐ思い付くのは、
1983年のエリザベス女王杯を勝ったロンググレイスや、
1992年のNHK杯を勝ったナリタタイセイや、
1996年の桜花賞を勝ったファイトガリバーや、
2004年の目黒記念を勝ったチャクラなどが挙げられますね。
オーナーブリーダーとしての「天羽牧場」は、2005年頃からJRAで馬を走らせていますが、
2010年から2013年までの4年間は1つも勝てなかったため、
繁さんと真崇さんは、「とにかく勝ちたい」と考えていたでしょう。
そして去年の7月に、ファイトガリバーの仔のペガサスボスが久しぶりに勝ちましたから、
繁さんと真崇さんは喜んだでしょうが、これだけで満足はしていないと思いますね。
と言いますのも、「天羽牧場」は、先ほど書いた通り、
他の馬主さんに売った生産馬はいくつも重賞を勝っていますが、
牧場名義で持っている馬については、
ペガサスファイトが2009年の小倉サマージャンプで3着に入ったのが最高で、
1回も重賞を勝ったことがありませんので。
また、「天羽牧場」は生産馬を競走馬セールに上場することが多くて、去年も、
7月22日(火)の「HBAセレクションセール」で1頭を2300万円で売却
8月25日(月)~28日(木)の「HBAサマーセール」で1頭を720万円で売却
と、計2頭を総額3020万円で売却していました。
そのため、きっと今年も競走馬セールに生産馬を上場するでしょうし、
「天羽牧場」の生産馬が重賞を勝てば、「ここの生産馬は稼がせてくれる」といった印象を、
セールに参加する馬主さん達に持ってもらうことができますから、
私が繁さんや真崇さんの立場でしたら、
自家生産馬ペガサスボスを使う毎日杯は、
「何が何でも勝ちたい」と考えるでしょう。
そのため、この馬を預けている矢作調教師に対しては、
勝負仕上げの依頼をしている可能性は高いと見ていまして、
実際、最終追い切りの内容が、
「最終追い切りは、レースでも乗る藤岡佑介騎手が坂路に入れて、
全体が51秒7、終い1ハロンを12秒5でまとめていました。い
くら体重の軽い騎手が乗っていたとは言え、これだけいい時計を出
せるのは調整が上手くいっとった証拠と言えるでしょう。それに、
タイセイラビッシュをコンマ4秒追い掛けて、コンマ2秒先着した動
きは太鼓判を押せるデキでしたから、ここでは恥ずかしい競馬はしな
い筈です」
という見込み通りと思えるものでしたから、ここでいいレースをして、
繁さんや真崇さんをはじめとした「天羽牧場」の関係者達を喜ばせることができそうです。