香港のポール・オサリバン調教師が高松宮記念に使ってくる、
エアロヴェロシティについて。
ポール・オサリバン調教師と言えば、
お父さんのデイヴ・オサリバン調教師と一緒に管理していたホーリックスを1989年のジャパンCに使って、
オグリキャップとの激しい叩き合いを制して勝ったことで日本では知られています。
また、この時の乗り役は、ポール・オサリバン調教師の弟のランス・オサリバン騎手でしたから、
今のJRAなら、池添兼雄師の一家(長男の謙一が乗り役、次男の学が調教師)のような競馬一家と言えるでしょう。
そのオサリバン調教師はニュージーランド出身でして、1976年、17歳の時に、お父さんのところの厩務員となりました。
そして、4年後には一緒に厩舎を経営するようになって、1996年までの17年の間に
ニュージーランドの調教師リーディングを10度も獲得しています。
その後のオサリバン調教師は2004年に、ニュージーランドから香港に拠点を移していて、
2007年にはヴァイタルキングで香港ダービー、2010年にはフェローシップでスチュワーズC、
去年はエアロヴェロシティで香港スプリントを勝つなど、着々と香港でも実績を積み重ねていますから、
師は、「やり手の調教師」と言っていいでしょうね。
そして、高松宮記念に使うエアロヴェロシティは、3月17日(火)の朝6時頃に成田空港に到着し、
午前9時半に白井市の「競馬学校国際厩舎」に到着しました。
その後は、
3月18日(水)→ダートコースに入れて、左回りで速歩500m、キャンター1400m、右回りで常歩700m
3月19日(木)→ダートコースに入れて、左回りで速歩600m、キャンター2200m、右回りで常歩200m
3月20日(金)→ダートコースに入れて、左回りで速歩600m、キャンター1400m、右回りで常歩800m
3月21日(土)→ダートコースに入れて、左回りで速歩400m、キャンター2200m、右回りで常歩200m
3月22日(日)→ダートコースに入れて、左回りで速歩300m、キャンター2400m、右回りで常歩100m
3月23日(月)→ダートコースに入れて、左回りで速歩400m、キャンター1400m、右回りで常歩1000m
という形で調整を進めてから、23日(月)の午前11時頃に競馬学校を出発して、
その日の午後5時半頃に中京競馬場に到着しています。
そして昨日は、長距離輸送の翌日だったこともあり、ダートコースに入れて、速歩1700mと、
軽めの運動を行い、今朝は、ダートコースに入れて、1800mのキャンターをこなしています。
この馬は、日本に着いてからビッシリと追われていませんが、順調に乗り込みをこなしていますし
「中京競馬場に移動した後は、多少、輸送減りしていたようですが、
しっかりとカイバを食べていますから、この点は心配ないでしょうし、
今のデキであれば、明日の最終追い切りで完璧に仕上がるでしょう」
というものでした。
エアロヴェロシティは、去年の香港スプリントで、
ストレイトガール(3着)、スノードラゴン(10着)、リトルゲルダ(14着)と、
日本の短距離路線でトップクラスの馬を負かしているように、地力があるのは間違いないでしょう。
今回は、日本の固い馬場に対応できるかが鍵となると思いますが、この点を克服できれば、
サイレントウィットネスやウルトラファンタジーと同じように、
香港からの遠征馬として、5年振りのGI制覇も十分に可能な筈です。