スプリングSにブラックバゴ、阪神大賞典にラストインパクトを登録している、
一口馬主クラブの「有限会社シルクレーシング」について。
「シルク」は、クラブ法人を設立した「阿部製糸株式会社」が、
絹糸(シルク)を製造していたことが名前の由来であり、以前までは、
福島馬主協会の常務理事である阿部善武氏が、クラブ法人
「有限会社サラブレットオーナーズクラブ・シルク」の代表を務めておりましたが、
昨年の8月1日(金)付けで社名が「有限会社シルクレーシング」に生まれ変わり、
それと同時に、以前、取締役を務めていた米本昌史氏が代表取締役社長に就任しております。
「シルク」に於ける過去の代表的な存在としては、
1997年の有馬記念を制したシルクジャスティスや、
2000年のオークスを制したシルクプリマドンナや、
2004年の日経新春杯、京都記念などを制したシルクフェイマスなどが挙げられ、
最近の代表的な存在としては、2012年の根岸SとカペラSなどを制したシルクフォーチュンや、
2012年の阪神ジュベナイルFなどを制したローブティサージュや、
昨年の京都大賞典と金鯱賞と小倉大賞典などを制したラストインパクトなどが挙げられるでしょう。
また、「シルク」は、2008年産駒(現6歳世代)から、
「社台コーポレーション・白老ファーム」の生産馬を「募集馬ラインナップ」に加え始め、
2011年には、「ノーザンファーム」の生産馬もラインナップに加えている上、この年には、
それまで「シルク」が運営していた育成牧場・「天栄ホースパーク」を
「ノーザンファーム」に売却するなど、ここ数年で一気に「社台グループ」との提携を強化しております。
その効果はすぐに表れており、同クラブは、2000年のオークスをシルクプリマドンナで制してから、
GIレースの連敗が「37」まで伸びていましたが、「ノーザンファーム」の生産馬である
ローブティサージュが2012年の阪神ジュベナイルFを制し、その連敗に終止符を打ったのですから。
その上、クラブ全体の成績に於いても、過去3年間は、
2012年→40勝・獲得賞金7億9931万円
2013年→48勝・獲得賞金8億1700万円
2014年→78勝・獲得賞金13億0615万円
と、順調に数字を伸ばしており、特に昨年は、
「白老ファーム」の生産馬ラストインパクトが京都大賞典と金鯱賞と小倉大賞典を、
「ノーザンファーム」の生産馬・ブライトエンブレムも札幌2歳Sを制するなど、
クラブ創設以来、最高の数字を残しているのですから、
「社台グループ」との提携は大成功だったと言えるでしょう。
しかし、この順調な成績が出資者増加に直結していないと判断しております。
何しろ、「シルク」は、ジャパンCを制したローズキングダムの全妹にあたる
「ローズバドの2013」(牝・父キングカメハメハ)など、
全部で55頭の「2014年度募集馬」(現2歳世代)を発表し、昨年の9月16日(火)から受付を行っておりますが、
確認したところ、満口となっているのは33頭で、「募集中止」となった2頭を除く残りの20頭は、
募集開始から半年以上が経過した現在も出資を受け付けているのですから。
更に同クラブは、昨年の12月25日(木)から、「現2歳世代の4頭」を「追加募集の対象」としておりますが、
こちらもまだ半分の2頭しか満口になっておりません。
よって、現在はクラブの関係者達が、
「過去の募集馬を重賞で活躍させて、残りの馬を早く満口にしたい」
と考えているのは間違いないと見ておくべきでしょう。
そのため、スプリングSに登録しているブラックバゴと、阪神大賞典に登録しているラストインパクトについては、
前者を管理している斎藤誠調教師と、後者を管理している松田博資調教師に対して、
メイチの勝負仕上げを指示している可能性が高いと判断しております。