日本の競馬を語る上で避けて通ることができない

巨大組織「社台グループ」

社台ファーム、ノーザンファーム、

追分ファーム、白老ファーム

といった牧場をはじめ、

トレーニングセンター、

会員制馬主クラブも運営する

「大帝国」と言っていい。

現代の競馬が「社台の運動会」

と揶揄されるほど生産馬は多く、そして強い。

今年、JRA重賞レースの勝ち馬のうち、

約半数を社台生産馬が占める現実は象徴的だ。

政治の世界ではないが、

数の力を源とする勢力拡大で、

社台グループは馬主、厩舎、調教師、

騎手に強大な影響力、発言力を持つに至り、

さながら王様として君臨、

独裁政権を展開しているのである。

天才と言われた武豊ですら、

いったん社台に嫌われると勝ち鞍から遠ざかり、

苦杯をなめる現実を伝えた。

社台グループの創始者は、

吉田善哉(ぜんや)氏。

すでに亡くなって19年になるが、

その競馬界に残した足跡は、

あまりにも大きい。

1955年から競馬人生をスタートさせた

善哉氏について、ベテランのトラックマンは語る。

「社台王国が盤石なものになったのは

善哉氏の晩年、80年代になってからで、

それまでは中堅級の活躍馬を多く出す

商売人の牧場というイメージが強かった。

そのやり方は、大規模大量生産。

心無い人からは

『そりゃあ、数撃ちゃ当たるよ』

と言われたりもしました。

また、千葉に所有していた土地が

成田空港建設で高く売れて資金力が増大、

当時の列島改造ブームに便乗して太っていった、

とも言われました」

そんな土地絡みで入ってきた金は全て、

馬と牧場につぎ込んだ。

牧草地を改良したり、

タブーだった昼夜放牧を始めたり、

室内トレーニング場を造ったり、

良血の繁殖牝馬を導入したり‥‥

と、競走馬にとっていいと思えることは

すぐに実行していった。

そんな「下地」を整備していた社台に、

組織拡大の決定的なチャンスが訪れる。

75年、種牡馬ノーザンテーストの導入だった。

当時を知る競馬解説者が回想する。

「ノーザンテーストは72年のサラトガのセリで、

善哉氏の長男・照哉氏がセリ落としたものですが、

この際、善哉氏は『30万ドル

(当時のレートで9240万円)

まで出していいから、

ノーザンダンサーの産駒を買ってこい!』

と命じていた。

ノーザンダンサー産駒はその頃、

世界を席巻していて、

どうしても手に入れたかったんです。

結果、10万ドルで買うことができた。

実物を見た善哉氏は

『ノーザンダンサーに体形がそっくりだ。

間違いなく走るよ。

種牡馬としても絶対に成功する』と、

うれしそうに語っていましたね。

実際、そのとおりになった」

ノーザンテーストは

フランスのGⅠラフォレ賞を勝利し、

箔をつけて75年に日本で種牡馬入り。

驚くべき成功を成し遂げた。

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競馬界のドンに干され、

生き地獄のごとき屈辱の日々を過ごしてきた武は、

その乗り方にも変化を来したと言われる。

10年3月の毎日杯で落馬し、

左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折、

右前腕裂創という大ケガを負った。

4カ月後に復帰したが、

完全に回復したわけではなかった。

K氏が言う。

「肩の可動域がなかなか元に戻らなかった。

競輪選手は落車してよく鎖骨をケガしますが、

知り合いの競輪選手に患部の写真を見せると、

『これは時間がかかるわ』と言われたそうです。

強くハンドルを握る競輪選手なら

1年近くかかるといわれる重傷でした」

あるトラックマンも曇った表情でこう話す。

「腰痛がとんでもなくひどいらしい。

ある馬主は

『豊君の腰はもうどうにもならないくらいだ』

と言っていました。

だから追えなくなってしまった、と‥‥」

最後の直線で手綱をしごけば、

馬は一気に加速する。

が、これにはかなりの腕力を要するため、

肩の故障は大きなハンデとなる。

「手綱をガンガンしごくだけでなく、

最後の直線スパートまでいかに

ロスなく持っていくかで競馬は決まります。

そこが図抜けてうまかったのが、

今ではアレ?という感じになった。

ケガで体のバランスが悪くなったからでしょう」

(H氏)

結果が出ないうちに、

各厩舎はかつてのように

武一辺倒という騎乗依頼を控え、

情勢は悪くなる。

そこに社台グループとのトラブルも勃発し、

負のスパイラルに陥ったのである。

近年指摘される

「ため殺し」も一因だという。

「昔は前々で競馬する騎手でした。

4コーナーを回った時点の位置取りで

相手を絶望させる乗り方だった。

それが最近は後ろから攻める快感というか、

前に行かせた馬を、ためてためて

バッと差し切る手法に目覚めた」

(前出・K氏)

その追い込みがきかず、

馬群に沈んだままのレースぶりも目立つように‥‥。

そんな状況を見かねて手を差し伸べたのが、

「メイショウ」で知られる馬主、

松本好雄氏だった。

「『一時代を築いた騎手を

このまま埋もれさせるのは忍びない』

と、どんどん馬を回した。

武はそりゃもう、感謝していた」

(前出・トラックマン)

さる競馬サークル関係者もこう明かす。

「腰痛で騎乗数が減ったことで、

武は酒に溺れるようになった。

飲み屋の店員から

『豊さん、ベロンベロンでしたよ』

と聞いたことは一度や二度じゃない。

それぐらい酒の量も増えていた。

それを心配するベテラン騎手は

『もっと節制しないと。このまま終わっちゃダメだ。

何が何でも酒をやめさせたい』

と言っていたよ」

その人望ゆえ、天才を慕う人々はいまだ多く、

トラックマンM氏はこう言うのである。

「まさに不世出のスターであり、

97年に売り上げが4兆円を突破したのも

豊の活躍が大きいわけで、

『豊なくして今の競馬はない』

と断言できます。

確かにここ数年はいろいろ言われているけど、

2年ぶりにGⅠを制したように、

いい馬に乗ればまだまだやれる」

天才の陽はまた昇るか。

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スタンドからは久々の

「ユタカ・コール」が湧き上がる。

ウイナーズサークルのお立ち台で

左手をあげて大声援に応えるのは、

当代随一のスター騎手。

実に2年ぶりというGⅠ戴冠の感慨に浸る一方で、

笑顔の奥には、競馬界を牛耳る巨大組織の

「進路妨害」への苦悩が深く刻まれていた─。

「そんなことは言ってません」

「お久しぶりです!

またこういう場に立つことができて、

誰よりも僕がいちばんうれしいです」

マイルCS(11月18日・京都)で

4番人気のサダムパテックを

GⅠ初勝利に導いた武豊ぶりの戴冠という喜びを

自身も2年しめつつ、続けてこうも吐露した。

「GⅠレースだけじゃなく、

勝ち星自体が以前と比べると激減だし、

『こんなはずでは‥‥』

という気持ちでやってきて、

3年くらいたちました」

歴代最多記録を誇る武のGⅠ初制覇は、

デビュー2年目(88年)の菊花賞。

それから23年続いたGⅠ勝利は昨年ついにとぎれ、

今年もダメか‥‥

との感が強まっていた。

マイルCSでどうにか

2年連続V逸は免れたものの、

近年「落日の天才」の様相を呈することになった

重大要因は、思わぬところにあった。

「競馬界最大の勢力、

生産者であり馬主でもある社台グループとの確執です。

現在の競馬は『社台の運動会』と揶揄されるほど、

社台グループの牧場で生産された馬が圧倒的多数、

走っている。

日本の競馬界は社台が牛耳っていると言っていい」

(競馬ライター)

さながらテレビ界、

芸能界におけるジャニーズ軍団のごとく、

圧倒的な力を誇る巨大集団。

それを敵に回したというのである。発端とされるのは、

審議レースとなった10年のGⅠ、

ジャパンカップ(JC)。

1位入線のブエナビスタが

進路妨害で2位降着となり、

2位入線した武騎乗の

ローズキングダムが繰り上がり優勝した。

ローズキングダムは社台グループの牧場

ノーザンファームの生産馬だ。

スポーツライターのK氏が語る。

「当該騎手の武と(ブエナビスタ騎乗の)スミヨンは

検量室でパトロールフィルムを見ながら

裁定委員に事情を聞かれ、

武はそこで『あのブエナはアウトでしょ』

と主張したということになっています。

スミヨンは降着の裁定を

自身のブログで批判的に書いたらしく、

オーナーや関係者にも

同様のことを話しただろうことは想像できます。

社台グループはスミヨン、ルメール、デムーロ

といった外国人を

世界一乗れる騎手と考えて神格化しているから、

言い分を信用したのでしょう」

ブエナビスタもノーザンファームの馬であり、

どちらが勝ってもいいじゃないか、

とはた目には映る。

だが、社台グループの牧場、

社台ファームの代表で、

グループの総帥的立場の吉田照哉氏は

“武発言”を問題視した。

K氏が続ける。

「武本人は『そんなことは全然言ってません。

どんな不利があったかと聞かれて、

“まくりはありました”と答えただけ』

と話していました。

そもそも裁定の中で騎手が

アウトだなどと言えるはずがないし、

言う権限もない。

全ては誤解からくる話でしょう。

武も『自分が(アウトだと)言ったという噂があるんですよね』

と悩んでいましたよ」だが、真実はどうあれ、

「もう武には乗せるな、というお達しというか、

絶縁状が出されました」

(競馬解説者H氏)

吉田氏の逆鱗に触れてしまったのである。

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