※06年から15年の過去10年のデータ

■過去10回の1着
06年ディープインパクト
07年マツリダゴッホ
08年ダイワスカーレット
09年ドリームジャーニー
10年ヴィクトワールピサ
11年オルフェーヴル
12年ゴールドシップ
13年オルフェーヴル
14年ジェンティルドンナ
15年ゴールドアクター

当たり前ですが、錚々たる名前が並びます。

ただ、10頭の中でG1初制覇は07年マツリダゴッホと15年ゴールドアクターの2頭。

その他の8頭は、それ以前に既にG1を勝利。

やはり、強力なメンバーが揃うレース。

マツリダゴッホやゴールドアクターのようなケースは稀ということでしょう。

■1着馬の単勝人気

06年・1人気
07年・9人気
08年・1人気
09年・2人気
10年・2人気
11年・1人気
12年・1人気
13年・1人気
14年・4人気
15年・8人気

大半は上位人気。

伏兵の9番人気と8番人気は07年のマツリダゴッホと15年のゴールドアクター。

G1未勝利馬が勝つのは稀。

同時に、そのようなケースは必然的に荒れた結果。

ただ、勝ち馬が伏兵のケースは少ないものの、だからと言って1-3着まで全てが、堅い決着と“ならない”のが「有馬記念」。

■2着以下の主な伏兵馬

06年は、2着6番人気
07年は、1着9番人気、2着5番人気、3着6番人気
08年は、2着14番人気、3着10番人気
09年は、3着11番人気
10年は、3着14番人気
11年は、2着7番人気、3着9番人気
12年は、2着10番人気
14年は、2着9番人気
15年は、1着8人気、2着5番人気

オルフェーヴル(1人)、ウインバリアシオン(4人)、ゴールドシップ(2人)の着順で決まった13年以外は、ほぼ毎年、6番人気以下が馬券対象。

その頭数は計12頭。

さらに10番人気以下も5頭含まれます。

過去10年の馬券対象が計30頭ですので、相当な割合で人気薄が好走しています。

結果、勝つのは人気馬でも、2着以下は人気薄のケースが少なくありません。

配当も、馬連平均8,000円台、3連単平均221,900円台と波乱の傾向です。

では、『どういった馬が人気薄で激走したのか?』ということです。

もちろん、現時点で各馬の人気は分かりません。

そこでここは、ひとつの前提として、「前走凡走は有馬記念でも人気薄」という考えをとりたいと思います。

もっとも、前走成績だけで、次走(今回)に対するファンの期待値(人気)が決まるわけではありません。

前走成績はもちろん、過去の実績や中山コースへの適性、それにマスコミから流れる情報など、様々な要因が重なり合って出走馬の人気は決まります。




とはいえ、先ほども書きましたが、現時点で人気は分かりませんので、繰り返しになりますが、今回は、

「前走凡走は有馬記念でも人気薄」

という前提で考えます。さて、前置きは長くなりましたが、

『どういった馬が人気薄で激走したのか?』

といった部分ですが、まず過去10年で前走10着以下から、有馬記念で3着以内に巻き返した馬を調べます。

■対象は計6頭

・07年1着マツリダゴッホ「有馬記念は9番人気。前走は天皇賞(秋)で15着」

・08年2着アドマイヤモナーク「有馬記念は14番人気。前走はジャパンCで12着」

・11年3着トゥザグローリー「有馬記念は9番人気。前走はジャパンCで11着」

・13年3着ゴールドシップ「有馬記念は2番人気。前走はジャパンCで15番人気」

・14年2着トゥザワールド「有馬記念は9番人気。前走は菊花賞で16着」

・14年3着ゴールドシップ「有馬記念は1番人気。前走は凱旋門賞で14着」

以上の6頭が前走10着以下から巻き返しています。

ゴールドシップは有馬記念で上位人気ですが、他のケースは人気薄。

前走が海外であったことなど、ゴールドシップは過去実績などで人気を集めていましたが、どちらかというと特殊なケースでしょう。

基本的に前走10着以下は人気薄です。

あと、トゥザグローリーとトゥザワールドという全兄弟が、ともに9番人気の人気薄で上位に入っているのは面白い部分。

当然、こうなると「血統的な背景か?」と考えたくなりますが、その発想だと他の4ケースは説明出来なくなります。

そこで、ここでは血統的な部分は無視して、別の視点で考えます。

では、改めて各馬の成績を確認しますが、いずれも前走はG1に出走。

G2やG3などといったクラスに出走し、なおかつ、前走で10着以下だった馬が有馬記念で巻き返したケースはありません。

前走でG2やG3に出走して、10着以下だった馬の巻き返しはないでしょう。

また、前走のみならず、各馬の過去成績にも目を向けます。

「07年・マツリダゴッホ」

マツリダゴッホが07年の有馬記念を勝ったのはデビューから16戦目。

過去15戦の間に6勝を上げる一方、10着以下と競走中止の3回を含めて、6着以下は6回もありました。

ですので、必ずしも“圧倒的に強い”といった競馬ばかりをしていたわけではありません。

ただし、『中山競馬場』に限定すると、7戦して、競走中止の1回を除く6戦は、4勝2着1回3着1回。

つまり、6戦して複勝率100%。

明らかに中山巧者でした。

「08年・アドマイヤモナーク」

アドマイヤモナークが08年の有馬記念で3着となったのはデビューから21戦目。

過去20戦の間に8勝を上げる一方、8度の10着以下を含めて6着以下は17回もありました。

ですので、必ずしも“圧倒的に強い”といった競馬ばかりをしていたわけではありません。

ただし、『中山競馬場』に限定すると、7戦して、長期休養明けの1戦を除く6戦は全て3着以内。

つまり、一年近い長期休養明けを除くと6戦して複勝率100%。

明らかに中山巧者でした。

「11年・トゥザグローリー」

トゥザグローリーが11年の有馬記念で3着となったのはデビューから17戦目。

過去16戦の間に6勝を上げていました。

また、中山競馬場での出走歴は1度。

内容は、前年の有馬記念で3着というものでした。

つまり、中山競馬場の出走歴は少ないものの、“有馬記念という舞台で実績があった”ということ。

再び、有馬記念で好走したリピーターでした。

「13年・ゴールドシップ」

ゴールドシップが13年の有馬記念で3着となったのはデビューから16戦目。

過去15戦の間に9勝を上げていました。

また、中山競馬場での出走歴は2度。

内容は、前年の有馬記念1着、前年の皐月賞1着というものでした。

つまり、中山競馬場での出走歴は少ないものの、“有馬記念という舞台で実績があった”という点と、“皐月賞という中山競馬場のG1を勝利している”ということ。

明らかに中山で好実績を残していましたし、既に有馬記念で好走実績がありました。

「14年・トゥザワールド」

トゥザワールドが14年の有馬記念で2着となったのはデビューから10戦目。

過去9戦の間に4勝を上げていました。

また、中山競馬場での出走歴は2度。

内容は、同年の皐月賞2着、弥生賞1着というものでした。

つまり、中山競馬場での出走歴は少ないものの、“皐月賞という中山競馬場のG1で連対している”ということ。

G1やG2などの条件でも中山競馬場では好実績を残していました。

「14年・ゴールドシップ」

ゴールドシップが14年の有馬記念で3着となったのはデビューから22戦目。

過去21戦の間に11勝を上げていました。

また、中山競馬場での出走歴32度。

内容は、前年の有馬記念3着、前々年の有馬記念1着、皐月賞1着というものでした。

つまり、中山競馬場での出走歴は少ないものの、“有馬記念という舞台で実績があった”という点と、“皐月賞という中山競馬場のG1を勝利している”ということ。

明らかに中山で好実績を残していましたし、既に有馬記念で好走実績がありました。

前走10着以下から3着以内に巻き返したパターンをまとめると、いずれも前走はG1出走組。

また、中山競馬場でハッキリとした実績がありました。

そして、逆に言うと、中山に出走すると「凡走していない」ということ。

上記6ケースで、それぞれ好走する有馬記念の以前は、中山で凡走していたケースはほぼ皆無です。

唯一の例外は、アドマイヤモナークが一年近い長期休養明けのレースで5着だった程度です。

それに、むしろ超久々でありながらG2の日経賞で5着だったわけですから、ある意味で十分すぎる成績。

いかにアドマイヤモナークが中山を得意だったかが分かります。

ということで、

『どういった馬が人気薄で激走したのか?』

という部分ですが、前走10着以下の馬を狙う場合、上記のケースと同様の馬を狙うのがよさそうです。

なお、前走10着以下から巻き返した馬券対象馬は、延べ6頭ですが、「前走6-9着」から巻き返した馬券対象は2頭います。

09年1着ドリームジャーニー
11年2着エイシンフラッシュ

ドリームジャーニーは、前走の天皇賞(秋)で6着から巻き返して有馬記念で1着。

エイシンフラッシュは、前走のジャパンCで8着から巻き返して有馬記念で2着。

ちなみに、この2頭が、有馬記念で好走する以前の中山実績を調べると、ドリームジャーニーは前年の有馬記念で4着と好走。

また朝日杯FS(中山)の1着のほか、中山重賞で複数回連対した実績があります。

一方、エイシンフラッシュは、前年の有馬記念は7着だったものの、皐月賞3着、京成杯1着といった好走歴がありました。

つまり、前走10着以下から巻き返した各馬は中山競馬場を明らかに得意としていましたし、前走6-9着だった組も、中山競馬場のG1レースなどで、それなりの成績を残していました。

前走6-9着組も、場合によっては有馬記念で人気薄が考えられます。

となると、

『どういった馬が人気薄で激走したのか?』

という部分で考えていくと、上記のような傾向を踏まえて考えてみるのがいいかもしれません。

ちなみに、今回の登録馬で、「前走G1で6-9着馬」だと、マリアライトなどが該当します。

特にマリアライトは去年の有馬記念で4着。

馬券対象ではありませんが、4着と好走。

また、過去7度出走した中山競馬場では、3着以内4回を含めて、全て掲示板を確保。

中山では悪くない結果を出し続けています。

今回の有馬記念で上位に来ても驚けないでしょう。

■【狙える推奨馬は…】

さて、ここまで『どういった馬が人気薄で激走したのか?』という部分を考えてきましたが、ここからは、“積極的に狙えそう”な『推奨馬』について考えていきます。

■前走着順

まず、過去10年の有馬記念で馬券対象馬は延べ30頭。

その内、前走10着以下から巻き返したのは延べ6頭、前走6-9着から巻き返したのは計2頭でした。

つまり、馬券対象馬の内、前走5着以内が22頭。

さらに、22頭の内、前走3着以内が18頭を占めます。

となると馬券対象馬の半数以上が前走3着以内ということになりますので、基本的には「前走好走馬」が好成績を残しています。

特に、前走1着組は、(4,2,4)と延べ10頭と最多の馬券対象を出しており、前走2-3着組を合計した(3,4,1)よりも多くの馬券対象数です。

複勝率でも、前走1着組の30%に対して、2-3着組は25%。

2-3着組も良いデータですが、それ以上に前走1着組が優勢です。




■前走クラス

では次に、有馬記念で馬券対象となった各馬が、前走で「どのクラス」に出走していたのかを見ていきます。

と言っても、当然、「有馬記念」という一年の締め括りを飾るレース。

前走でレベルの高いレースに出走していた馬が大半です。

特に前走G1組が馬券対象馬の大半を占めており、海外(凱旋門賞など)を含めると、(9.8.9)となります。

つまり、前走G1組だけで延べ26頭。馬券対象馬の85%以上を占めます。

ですので、前走クラス別で狙いを考える場合、「G1出走組」というのは大きなポイントでしょう。

なお、前走がG1以外で馬券対象となったのは計4頭(G2組3頭、G3組1頭)。

レース別では、G2の金鯱賞2頭とアルゼンチン共和国杯1頭。

G3の中日新聞杯1頭です。

ただ、該当の中日新聞杯は小倉で行なわれた年ですし、そもそも今とは少々番組日程が違います。

ですので、基本的には参考外でしょう。

一方、金鯱賞組は1頭が同レースを勝った12年のオーシャンブルー。

もう1頭は13年の金鯱賞3着のウインバリアシオン。

ただし、ウインバリアシオンに関しては、1年半近い長期休養明けでしたので、3着という成績は非常に中身の濃いものでしょう。

となると、「1年半振りでG23着」というケースを「レア」と考えると、前走の金鯱賞では、「勝っている馬」。

もしくは、ウインバリアシオン級の好走を見せていた馬を狙うのが良さそうです。

なお、残りのアルゼンチン共和国杯組は15年のゴールドアクター。

同馬は前年8月から6戦5勝3着1回。直近も3連勝中。

このくらいの勢いを持っている馬なら、非G1組でも狙えるかもしれません。

■前走距離

最後に、前走距離。最も多くの馬券対象馬を出すのは2400m組の13頭。

対象レースはジャパンCが11頭、凱旋門賞が2頭です。

一方、出走数はそれほど多くありませんが、複勝率が高いのは3000m組の4頭。

複勝率35%超。ちなみに3000m組のレースはいずれも菊花賞。

また、2000m組の複勝率は25%。

なお、2000m組も計7頭の馬券対象を出しており、5頭が天皇賞(秋)、3頭が非G1組です。

ただ、09年のドリームジャーニーを最後に10年以降は天皇賞(秋)組の馬券対象馬は出ていません。

ということで…

ここまで「狙える馬の傾向」について書いてきました。

概ね前走で格の高いレースに出走して、好成績を収めていた馬が狙いです。

基本的な考えは、「近走で好成績の馬」というシンプルな考えでいいでしょう。

ただ、冒頭にも書いていますが、そんな中で、『人気薄が馬券に絡みやすい』というのが、有馬記念の特徴。

近10年の傾向通りなら、今年も、それほど人気を集めない馬が上位に好走する可能性は高そうです。

実績のある馬を狙いつつ、穴っぽい馬も押さえる必要があるでしょう。

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