天皇賞・春にウインバリアシオンを登録している、

「株式会社ウイン」について。

少し前まで、同クラブの愛馬会法人

「ウインレーシングクラブ」の取締役を務めていた

大迫基弘氏と大迫正善氏は、

「ゼンノ」の冠名を用いている大迫久美子オーナーのご家族ですから、

その当時は、「ゼンノ」と「ウイン」の馬が同じレースに出走してきた場合、

「実質的に複数出し」

と考え、

「どちらで勝ちにきているのか」

を慎重に検討する必要がありました。

しかし、一昨年の秋に新体制となってから、

「株式会社ウイン」の代表は、

「マイネル軍団の総帥」こと岡田繁幸オーナーの三男

義広氏が務めておりますので、

以前とは違う見方をする必要があるでしょう。

また、

これまでの代表的な存在としては、

2003年のNHKマイルCを制したウインクリューガーや、

2003年の京都ハイジャンプなど、

障害重賞で4勝を上げたウインマーベラスや、

2004年の日経賞を制したウインジェネラーレや、

2004年の京王杯スプリングCを制したウインラディウスや、

今年の日経賞を制したウインバリアシオンなどが挙げられます。

そして、一昨年の同クラブは、

「11勝・獲得賞金3億1756万円」

という成績でしたが、昨年は、

「32勝・獲得賞金5億6653万円」と、

前年より勝利数を3倍近くまで伸ばし、

獲得賞金を2億5千万円近く増やしておりましたので、

この点については、クラブの関係者達が大いに満足していることでしょう。

ただ、これだけ成績が向上しているにも関わらず、

出資者の増加に直結していない状況だと私は判断しております。

と言いますのも、

「ウイン」は昨年、全部で36頭の「2013年度募集馬」

(現2歳世代)のラインナップを発表し、その内、

今年、1月31日(金)の終了日までに満口となっていたのは6頭のみで、

8割近くの28頭(募集中止の2頭を除く)が、

満口とならずに募集終了となっておりましたから。

そして同クラブは、恐らく今年も昨年と同様のスケジュールで、

「現1歳世代の募集馬」に対する出資を受け付ける筈ですが、

天皇賞・春をウインバリアシオンが勝てば、

出資を検討している顧客層に対して、

「ウインの募集馬はしっかりと稼がせてくれる」

という印象を与えることができ、

初期段階の出資者増加に繋がるのは間違いありません。

そのため、クラブの関係者が、

この馬を預けている松永昌博調教師に対して、

「何としてでも勝たせて欲しい」

といった、

「かなり勝負懸かった指示」

を出している可能性が高いと見るべきでしょう。

また、ウインバリアシオンは、

2012年の宝塚記念の後に、右前脚の屈腱炎のため、

1年5ヶ月も休養していましたが、

復帰戦となった昨年の金鯱賞では3着、

有馬記念では2着に入り、

日経賞では1着と着実に結果を残しています。

ただ、

GIとなる今回は、どの馬も全力で仕上げてくるのは確実と言え、

当然、この馬もメイチに仕上げなければなりませんが、

屈腱炎の再発を恐れて、十分な負荷を掛けられず、

完璧に仕上げ切れない可能性も考えられます。

よって、厩舎がどのように仕上げてくるかについては、

念入りに確認していく必要があると考えております。

また、今週の「ウイン」は、

青葉賞にウインマーレライを登録していますが、

クラブの状況を踏まえますと、全く同じ理由で、

「勝負懸かり」と判断するべきでしょう。

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